Clinicクリニック

椎間板ヘルニア

 

椎間板に変性が生じ、その内容物が脊柱管内に突出することにより脊髄を障害し、さまざまな神経症状を引き起こす疾患です。

一般的な症状として、頸部(首の)椎間板ヘルニアの場合には激しい頸部痛と歩行時のふらつき、腰部(腰の)椎間板ヘルニアの場合には後ろ足の麻痺などが挙げられます。

椎間板ヘルニアは通常、グレードが5段階に分けられ、グレードが上がる(症状が強くなる)ほど治療後の反応が悪くなっていきます。ふらつき程度の軽い症状でも、悪化する前の受診をお勧めします。

 

 

 

診断方法

 

症状が軽く、小さな症例に対しては内科治療を実施。ステロイド療法や、リハビリ療法、最先端のCTS-レーザーを用いたレーザー療法を組み合わせた治療を行います。基本的に通院での治療となります。
症状が軽いにも関わらず、病変が比較的大きな症例に対してはPLDD療法を行います。これは椎間板に直接レーザーファイバーを差し込みレーザーにより直接焼いて蒸散させることにより、脊髄への圧迫を軽減させるというものです。通常、一泊入院を必要とし、その後は内科治療と運動制限を組み合わせて治療します。
症状や病変が大きいものに関しては外科手術を提案しています。背骨に窓を開けて、脊髄を圧迫している椎間板物質を直接除去するというものです。

 

ヘルニア

 

 

治療

椎間板ヘルニアに続発する進行性脊髄軟化症について

 

脊髄が強く圧迫されると、脊髄の壊死が起こることがあります。この壊死が進行し、止まらない状態を進行性脊髄軟化症と呼びます。
椎間板ヘルニアにおける上記グレード分類のグレード5(最重症)において、10%程度で起こるとされており、一度発症してしまうと有効な治療法は現在発見されておりません。
症状としては、椎間板ヘルニアによる症状の他に、一般状態の悪化が加わることが多く、激しい痛みを伴う場合もあります。病変は脳に向けてどんどん脊髄を上っていき、前足の麻痺、目や呼吸の異常をきたした後、発症から1週間程度で亡くなることが非常に多いです。
稀に進行が止まる場合もありますが、可能性は極めて低く、発症する前に椎間板ヘルニアを治療することが重要です。